(2)マレーシアの教育制度と教育政策

概要

 博士論文『マレーシア青年期女性の進路形成』を出版する前後に,マレーシアの教育全般についてあまりにも無知なことに気づかされ,「マレーシアのすべての教育段階について知ろう,学ぼう」と決めて取り組んできた。

 縦軸には,幼児教育,義務教育制度(初等・中等),高大接続,高等教育に関する論文を執筆し,横軸にはトピックを設定した。トピックは,たとえば,ICT教育,大学間連携,教員研修制度,国境の教育,学校に行けない子どもたち,教科書制度,市民性教育など。

代表的な業績

①鴨川明子・金子奈央(2020)「国境地域に行き届く国民教育制度:マレーシア(サバ州)―インドネシア(北カリマンタン州)」,日本比較教育学会編『比較教育学研究』東信堂,第60号,48-162.

②鴨川明子(2013)「ブルネイ初等学校の市民性教育―SPN21カリキュラムにおける社会科とMIBの教科書分析―」,日本比較教育学会編『比較教育学研究』東信堂,第46号,149-163. 

新たな展開

 比較教育学者は何でも屋。

 「マレーシア×教育」に関するテーマは,とにかく節操なく,何でも取り組んでいきたいと考え,実行してきた。教職大学院の修了生を巻き込んで,国際理解教育の授業開発への展開を目論んでいる。

 最近は,ブルネイダルサラーム大学の先生方の協力もあり,ブルネイの教育に関してフィールド調査する機会に恵まれている。元々同じ国だったブルネイとマレーシアの似ている点,異なる点を比較しながら探していきたい。