競争的資金等の研究課題(研究代表者)

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東南アジア島嶼部における男子・男性のワークライフキャリア形成

研究期間

2019-04-01 – 2022-03-31

研究開始時の研究の概要

 2030年に向けた持続可能な開発目標(SDGs)において,ジェンダーと教育の問題は解決されるべき目標に掲げられる。ジェンダーと教育の問題は,相対的に不利な立場に置かれた女子・女性の問題としてとらえられることが多い。そのため,彼女たちの教育機会が限定されている国や地域(サブサハラアフリカや南アジア)に注目が集まる傾向にある。

 しかしながら,本研究は,高等教育段階において男女間の教育格差が縮小しているように見えるが,男子がより高い教育段階に進学しない点に特質が認められる東南アジア島嶼部3ケ国に対象を絞る。そして,これら3ケ国における男子・男性の「ワークライフキャリア形成」の独自性を解明する。

研究実績の概要

 2030年に向けた持続可能な開発目標(SDGs)において,ジェンダーと教育の問題は解決されるべき目標に掲げられる。ジェンダーと教育の問題は,相対的に不利な立場に置かれた女性の問題としてとらえられることが多い。

 本研究は,高等教育段階において男女間の教育格差が縮小しているように見えるが,男性がより高い教育段階に進学しない点に特質が認められる島嶼部東南アジア3ケ国に対象を絞る。そして,これら対象国における男性の「ワークライフキャリア」の意識と実態を明らかにすることを本研究の目的とする。

 この研究目的の下で,初年度(本年度)は,男性の教育に関する歴史的背景や社会・政治・経済・文化・宗教などの要因分析を行うことが当初の作業課題であった。その作業を進める過程で,初期の研究枠組みを構築するためには,対象国における女性の教育に関する状況が予想以上にドラスティックに変容しており看過できないと考えた。そのため,ジェンダーの観点から先行研究や,各国の政府や研究機関等がインターネット上で公表している文書・資料を網羅的に収集するよう努めた。

 また,日本比較教育学会(東京外国語大学),日本教育学会/WERA(東京),東南アジア研究フォーラム(立命館大学)に参加し,他の科研と有機的に連携しながら成果の公表にも努めた。同時に,対象国に関する情報収集および研究分担者との研究打ち合わせを実施した。殊に,『東南アジア文化事典』(丸善出版)において,項目「女性の高学歴化」を公表できたことは本年度の代表的な成果の一つである。加えて,研究分担者服部美奈氏によるインドネシアの幼児教育・保育に関するブックレット出版(ベネッセ教育総合研究所)も子育てに係る事情を広く一般に伝える上で重要な成果である。ただし,3月に実施予定であった現地調査は新型コロナウィルスの影響を受けて,次年度以降に延期にすることとした。

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東南アジア域内の多国間学生移動と留学生のキャリア形成―ASEAN共同体に向けて

研究期間

2015-03-01 – 2020-03-31

研究成果の概要

 本研究は,東南アジア域内を移動する留学生のキャリア形成について,ジェンダーの観点から明らかにすることを目的とした。

 主にマレーシアとブルネイにおいて実地調査を行った結果,東南アジアには,初等・前期中等教育が完全普及しつつある国も多いが,植民地期から続くエリート養成型の留学には男女間格差が残された国もある。女性の高学歴化が進む中で,東南アジア域内を移動する留学生のキャリア形成という新しい視座を提供することによって,男女間格差を構造的に理解する一助となった。この意義は,1990年「万人のための教育(EFA)世界会議」以降,国際機関や援助国が取り組んできた課題に一石を投じるものであると思われる。

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教員研修と教員評価の連動性 ―先行実践するマレーシアを事例として―

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東南アジアにおける国際的留学生移動と女性のキャリア形成

研究期間

2009 – 2012

研究成果の概要

 本研究の目的は,東南アジア地域内における国際的留学生移動をめぐる女性のキャリア形成の意識と実態について実証的に明らかにすることにある。研究成果として,

(1)マレーシアを事例とする国内の高校生の進路形成に関する新動向,

(2)各国の高等教育の国際戦略と留学生移動,

(3)アジア域内の留学生のキャリア形成に影響を与える地域機関によるプログラムとカリキュラムの現状について明らかにした。

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イスラム諸国における青年女性の進路形成に関する国際比較研究

研究期間

2006 – 2008

研究成果の概要

 第2年度は,以下の通り研究を進めた。
1.マレーシア女性の進路形成の諸相に関する実地調査:本年度は,結婚観や職業観なども含めた「生涯設計」の観点から,調査の対象年齢を上げ,主要な高等教育機関に進学した学生の進路展望について文献調査した。昨年度と本年度の研究成果の一部について,博士学位論文「マレーシアにおける社会変動と青年期女性の進路形成-ジェンダーとエスニシティの観点から-」としてまとめ,早稲田大学大学院教育学研究科より博士号(教育学)を授与された。

2.統計資料の整備:教育省,州教育局,社会開発省,HAWA等関連省庁を訪問し,教育統計および女性関連の統計指標を最新版に更新した。

3.スランゴール州とペラ州の初等学校3校訪問:就学前教育と初等教育(義務教育)段階におけるキャリア形成・進路指導について調査した。

4.成果の公表:国内では,日本比較教育学会(平成19年6月筑波),日本教育学会(平成19年8月東京)において自由研究発表およびラウンドテーブル,国外では,世界比較教育学会(平成19年9月ボスニアヘルツェゴビア・サラエボ)等において報告した。

5.イスラーム諸国の国際比較の可能性:初年度には,マレーシアにおける類型化を踏まえて,近隣諸国との比較の可能性を模索した。

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マレーシアにおける青年期の生涯設計と進路形成―ジェンダーとエスニシティの観点から

研究期間

2005 – 2007

研究成果の概要

 マレーシアの教育(とりわけ進路や進学)に関する先行研究から,後期中等学校を終了した後,エスニック集団別に進路分化することが既に明らかになっている。しかしながら,進路分化をもたらす要因は,生徒の属するエスニック集団の特性に求められることが多く,生徒自身の選択という側面からは十分に議論されてこなかった。それゆえ,自らの性別,エスニシティ,階層あるいは宗教により特徴付けられる価値観を取捨選択しながら,生徒が進路を選択していく過程や構造をモデル化することによって,進路形成のダイナミズムを明らかにすることを目的として研究を進めてきた。

 初年度は,中等後教育機関における進路形成に関する質問紙調査の分析に重点を置いた。主な作業は以下の通りである;

(1)青年期女性の進路選択について,既に実施してきた3次にわたる質問紙と面接調査の結果(於:マレーシア・ペラ州・カンパー,対象:後期中等学校女子生徒および終了生)についてコーディングした。

(2)エスニック集団および階層により分類し,進路形成の意味の多様性を類型化した。

(3)上記の作業と同時に,研究計画について,アジア比較教育学会(2005年5月,於:マレーシア・バンギ)で諮り修正した。

(4)初年度の研究の成果については,最終年度に予定している日本および他国との比較を念頭に置き,途上国研究の教育とジェンダー研究の動向を論文(雑誌論文1)としてまとめるとともに,女性のキャリア形成支援に関する報告論文に公表する予定である。

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マレーシアにおける生徒の進路形成に関する実証的比較研究―ジェンダーの観点から

研究期間

2003 – 2004

研究成果の概要

1.研究目的:本研究は,イスラーム教国であり,多民族国家であるマレーシアの社会開発過程において,女性が「何を」動機とし,「いかにして」進路を選択していくかという,女性の進路形成過程とその構造を明らかにすることを目的とした。それによって,1990年代以降未解決の課題とされてきた男女の教育格差の問題を,量的・質的に克服する方策を探究した。本年度の研究により,女性の中でも,イスラーム女性の教育を考える際には,彼女らの性役割をめぐる文化的価値観を尊重することなしに,その多様な教育ニーズを把握することは困難であり,特に進路を選択する際の女性個人の心理過程を,文化的な意味体系に即して解釈するために,実地調査を行った。

2.研究実施計画と実施:
(1)申請者は既に,後期中等学校生徒の進路選択に関する予備調査と第1次・第2次調査(質問票と面接による)を実施し,本年度はそれらのデータ集計と分析に努めた。それらの調査で得られた結果を分析し,さらに複合的な観点から対比するために,華人女性を対象とした第3次調査を実施した。加えて,前回までの対象者(マレー人・華人)に対する追跡調査を行った。

(2)調査結果の定量・定性分析をする際に,生徒の進路選択・形成,ジェンダーと教育,教育開発等に関わる国内外の関連文献を収集した。

(3)20世紀前半から現在までの中等・高等教育政策で,女性と教育に関わる記述を調べた。

3.研究の成果と今後の研究展開:
(1)2の作業を通して,マレーシアの女性を取り巻く社会・経済的背景が,多様な文化的意味体系とあいまって,各々のエスニック集団に特有の性役割観があることが確認できた。そして多様な性役割観を受容したり葛藤したりしながら,進路を選択する過程と構造を進路形成過程として図式化する素地を築いた。

(2)本年度の研究成果は,アジア比較教育学会,日本国際教育学会,マレーシアワークショップで口頭発表し,また英文の論文としてまとめた。

(3)今後は,マレーシアや他の途上国の女子教育支援に対する示唆を提示した。

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