「目ひょうは立てるのがむずかしい」
2021年3月31日。日本全国お別れの日。あちらこちらに花束を持った人,少しほおを赤らめた人を見かけます。小学校3年生の息子にとっても,お世話になった卓球教室のコーチとお別れをする日でした。
週に1回,私の職場からの帰宅の時間と息子の卓球教室の終わりの時間を合わせて迎えに行っています。卓球教室から家までの道のりは25分ぐらいでしょうか。普段であれば,その道のりが楽しくなるか否かはどちらかと言うとママ(私)のご機嫌で決まります。ママの機嫌が悪い時は,終始息子へのお説教ですが,機嫌がいい日は談笑しながら帰ります。でも,この日ばかりは,息子が饒舌でハイテンションで,お話の主導権を握っていました。
聞けば,お世話になったコーチからの最後の言葉が彼には刺さったようです。コーチは,全日本で優勝したこともある著名な選手で,昨年まで日本有数の実業団で活躍されていた方です。私事により1年ほど現役を退いていらっしゃいましたが,ご縁があって,現役に復帰なさるとのこと。
コーチからの言葉を,息子からの聞き書きをもとにおすそ分けします。小学校3年生の記憶による表現ですので,きっと正確ではないものもあるでしょうが,彼なりの表現を尊重します。
れんしゅうすればするほど人はうまくなれる。目ひょうを決めないとなんにも始まらない。目ひょうは立てるのが難しい。でも,いつか,かならず見つかる。とちゅうで目ひょうを変えない。(目ひょうを立てて)がんばればがんばるほどうんもからむ。
目標を立てることが大事だとは,多くの方が仰ると思いますが,「目標は立てるのが難しい」,という表現が私には刺さりました。
さて,新しい目標が,私の目の前にあります。息子を通じて聞いたコーチの言葉に,9年ぶりに新しい目標を立てることができている意味を改めて感じさせられました。
私たち夫婦にとって,今日は,3人の子どもたちを9年間保育園に送り迎えし続け,それを終えた記念すべき日でもありました。